左:日ノ本文化財団代表 橋村舞 
中央:ヌシヤ株式会社代表 浦出真由さん  
右:輪島塗り職人(加飾)屋号 慈華(はな)篠原今日子さん

2024年、石川県は地震と豪雨という自然災害に見舞われました。この困難な状況下で、日ノ本文化財団の代表理事である橋村舞は、輪島塗の加飾職人である篠原今日子氏、そしてヌシヤ株式会社の代表である浦出真由氏と対談を行いました。

篠原今日子氏は、輪島塗の伝統技術を守り続ける職人であり、その精緻な加飾技術で知られています。一方、浦出真由氏が率いるヌシヤ株式会社は、伝統工芸品を現代のライフスタイルに取り入れる取り組みを推進しています。

2024年カンヌ国際映画祭のイベントで輪島塗の柄の歯ブラシをもつゲスト
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身につける伝統工芸:ヌシヤ株式会社

石川県での対談では、地震と水害という二重の災害に直面した輪島塗職人の篠原今日子さんが、特に水害による深刻な被害状況について具体的に語られました。その内容は以下のとおりです。

被害の実態と職人たちの現状

1. 二重の被害の中での困難

• 地震の影響に加え、追い打ちをかけるように水害が発生。

• 水害によって、道具や材料が泥水に浸かり使用不可能に。

• 衛生上の問題もあり、ほとんどの道具を廃棄せざるを得ない状況。

2. 作業環境の損失

• 作業場所や一時的な保管場所の確保が難しく、作業の再開が困難。

• 道具を洗浄しても泥が出てきて、再利用が厳しい状態。

• 水害の被害は地震以上に甚大で、職人たちは生活と仕事の両方で途方に暮れている。

3. 精神的な負担

• 当初は前向きだった職人たちも、水害後は対応に迷い、困惑する姿が見られる。

輪島でうまれた うるしのブレスレット:ヌシヤ株式会社商品

支援の必要性と今後の課題

1. 緊急のニーズ

• 被災した職人たちが必要とするのは、作業場や道具の保管場所など、仕事を再開するための物理的な支援。

• 生活と仕事の両面で支援が不足している現状。

2. 支援情報の不足

• 篠原さんをはじめ、多くの職人たちは水害に関する支援情報をほとんど知らない。

• 支援制度や復興に向けた具体的な情報提供が必要。

今後の取り組み

日ノ本文化財団としては、次のような取り組み予定です。

1. 販売会の企画

• 被災した職人たちの支援のため、復興の一助となる販売会やイベントの開催を検討。

• 輪島塗の魅力を広めると同時に、被災職人の復興資金につながる仕組みづくり。

2. 支援の輪を広げる

• 支援を求める声を広く発信し、企業や個人からの協力を呼びかける。

• 作業場所の確保や道具の再調達に向けた寄付やクラウドファンディングの活用も視野に。

この対談は、職人たちの苦境を広く知ってもらい、復興への第一歩を踏み出すための重要な機会となりました。販売会や支援イベントが実現し、職人たちが再び手仕事を始めるための一助となるよう尽力いたします。

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