お盆は先祖の霊をお迎えして供養する行事です。盂蘭盆会の行事として、13日の夕べの迎え火、16日夜の送り火があります。出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」

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お盆とは?

お盆の意義と歴史

お盆は、仏教の伝統に基づく日本の年中行事で、故人の魂がこの世に帰ってくるとされる期間です。この行事は、故人への敬愛と感謝の気持ちを表現し、家族の絆を深める重要な機会とされています。お盆の起源は、中国の仏教テキスト「盂蘭盆経」に基づいており、この経典には、一僧侶が仏陀の力を借りて亡き母を苦しみから救う話が記されています。この故事から、お盆では先祖の霊を供養し、彼らの霊が安らかであるよう祈る風習が生まれました。

日本におけるお盆の行事は、8世紀頃にはじまったとされ、平安時代には貴族の間で先祖供養の儀式として定着しました。その後、お盆は庶民にも広がり、各地で異なる風習が芽生えることとなります。特に、迎え火を焚いて先祖の魂を迎え入れ、送り火で送り出す習慣は、日本各地に根強く残っています。

現代においても、お盆は家族が集まり、故人を偲ぶ大切な時です。多くの家庭では、お墓参りを行い、仏壇に食物や花を供えて故人の魂を慰めます。また、この期間は、日常の忙しさを離れ、家族が共に過ごす貴重な時間となっており、現代日本人にとって精神的なリフレッシュの機会でもあります。お盆を通じて、日本人は先祖への敬意を示し、家族の結びつきを再確認する文化を今に伝えています。

盆踊り会場の様子

お盆の時期とその重要性

お盆は日本の伝統的な行事で、一般的には毎年8月13日から16日までの4日間にわたって行われます。ただし、地域によっては旧暦を使用するため、7月にお盆を迎える場所もあります。この時期は、農作業が一息つく季節であり、多くの人々が仕事を休み、故郷へ帰省するのに適した時期です。このため、家族が一堂に会しやすく、先祖供養を行うのに最適なタイミングとされています。

お盆の期間の重要性は、単に休暇としての意味合いを超え、文化的および精神的な深い意味があります。日本では家族を中心とした社会構造が長らく続いてきたため、家族全員が集まるこの時期は、故人を偲び、生前の絆を称えるための大切な機会となっています。お盆には故人の霊がこの世に戻ってくるとされ、家族はお墓参りを行い、自宅にて迎え火と送り火を焚くことで、先祖の魂を優しく迎え入れ、そして送り出します。

この期間中に行われる先祖供養は、故人への敬愛の念を新たにし、生きている家族間の絆を強化する役割も果たします。また、家族が一同に介することで、普段話すことができない家族の話を共有する場ともなり、世代間のコミュニケーションを促進します。お盆はそうした意味で、日本人にとって精神的なリフレッシュと家族の絆を深める貴重な時間となっており、文化的にも非常に重要な期間です。

家族とともに行う伝統的な儀式

お盆には、家族が共に行ういくつかの重要な儀式があります。これらの儀式は、故人の魂に敬意を表し、家族の絆を強化する目的があります。

迎え火と送り火

お盆の期間中、最も象徴的な儀式の一つが迎え火です。これはお盆の初日に行われ、故人の魂をこの世に迎え入れるための火を家の入口や庭に焚きます。この火は故人の魂が迷わずに家を見つけられるようにとの願いを込めています。お盆の最後の日には送り火を行い、故人の魂をあの世へと送り出す儀式を行います。送り火によって、故人の魂が安心して旅立てるよう助けると共に、家族は故人に別れを告げる時間を持ちます。

霊を慰めるための盆踊りも開催されました。出典:国立国会図書館「NDLイメージバンク」

お墓参り

お盆期間中に家族で行うもう一つの重要な儀式がお墓参りです。家族はお墓を訪れて墓地を清掃し、新たな花を供え、線香を炊きます。これは故人に対する敬意を示すとともに、家族が故人を偲び思い出を共有する時間です。多くの家庭では、このお墓参りを通じて子どもたちに家族の歴史や先祖に対する敬意を教えます。

2024年7月末の築地本願寺の盆踊り会場

まとめ

お盆は単なる年中行事を超え、家族が先祖を敬い、故人を偲ぶための大切な時間です。この期間は、日本の伝統として、家族や地域社会が一体となり、過去と現在がつながる瞬間を共有します。故人の魂をこの世に迎え、そして心を込めて送り出すお盆の儀式は、家族間の絆を強化し、文化的な伝承を子どもたちに伝えるための重要な機会となります。

お盆期間中に行う迎え火、送り火、お墓参り、そして共に食事をすることは、故人に対する敬愛の気持ちを表現し、家族としての連帯感を育むための行動です。これらの行事を通じて、家族は故人との思い出を新たにし、生きている家族間の関係を再確認します。また、お供え物を準備し、特別な料理を共に食べることは、故人への思いやりと家族の愛を感じさせる時間となります。

引退後のこの時期に、お盆を通じて先祖供養に専念することは、自己のルーツを見つめ直し、家族との絆を深める素晴らしい機会です。故人のために心を込めた供養を行い、家族と共に豊かな時間を過ごすことで、人生の新たな章が始まるでしょう。お盆は私たちにとって、過去を称え、現在を祝福し、未来に向けて絆を強化するための貴重な時です。

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